探検ファクトリー 「石けん工場の人気回復!うるおい成分でツルツル肌」

探検ファクトリー今も昔も変わらぬ製法 石けん工場 人気がV字回復したワケは

令和5年7月22日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

この番組では、大阪・鶴見区の石けん工場を取材していました。
この工場は創業114年で、日本で最もシェアが高い固形石けんを製造しています。
石けんの汚れ落としの秘密は、界面活性剤の油になじむ部分が汚れにくっつき、水になじむ部分が水にくっつき洗い流すことです。

この工場では昔ながらの釜だき製法を使用しており、60t入る釜で原料を加熱して混ぜます。
石けんの原料は一般的に植物の油から作られますが、この工場ではヤシ油と牛脂を使用しています。
牛脂を使うことで、粘りけと弾力性のある泡を期待することができます。

石けんの製造工程は、原料を反応させる、不純物を取り除く、香料などを混ぜる、という3つのステップから成り立っています。
牛脂とヤシ油に水酸化ナトリウムを加えて加熱し、鹸化反応を起こすことを鹸化と呼んでいます。
不純物を取り除く工程では、鹸化させた釜に食塩水を加えることで、純粋な石けん成分と層を分けます。

この工程には約2日間かかり、さらに2回行われます。
この工場では、製造工程で不純物を取り除くと同時に、牛脂とヤシ油から鹸化させることでグリセリンという保湿成分が発生します。
グリセリンは保湿効果が高く、化粧品などにも広く使われています。

窯だき製法では、石けんが完成するまでに約1週間かかります。
釜でできた石けんは乾燥させ、香料やバターを混ぜる混合工程が行われます。
バターは泡をクリーミーにし、お肌を乾燥しにくくする効果が期待できます。

この石けん工場の主力商品は90年代から売上が下がっていましたが、2015年になって約2倍の売上回復が見られました。
そのきっかけはSNSでの口コミでした。
石けんに含まれる保湿成分のおかげで「肌がつっぱらない」との評判が広まり、人気が回復したようです。

また、取材で紹介された独特な使い方についても取り上げられています。
ただし、石けんを過剰に削ると乾燥や香りの低下が心配され、電子レンジで温めると爆発や変形の可能性があると指摘されました。
また、石けんをお湯で溶かす方法は、菌が発生しやすくなるとのことです。

最後に、この番組では石けんが黒く汚れても洗浄力に変化はないということも紹介されています。