探検ファクトリー 「レントゲン車開発記」

探検ファクトリー選「献血車・競走馬輸送車など特殊車両を手掛ける工場」

2022年10月29日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

【骨組みから始まる一台のレントゲン車の誕生】 すでにお伝えした通り、レントゲン車の製造は、熟練した従業員65人の力と技術の結集により行われています。
彼らは年間約50台の特殊車両を生み出しているのです。
まさに一台一台の車両は、細部まで手作業で作り上げられています。

まず最初の工程は、鉄を1本ずつつなぎ合わせる「骨組み作り」です。
この骨組みは、特殊な車両に架装するためのものであり、荷台のない車両に乗せられていきます。
1本1本の鉄を丁寧につなぎ合わせる様子は、まさに職人技の集大成と言えるでしょう。

【板金と塗装、車内の手作業に込められた思い】 骨組みが出来上がると、その上に板金を加工して貼り付けていきます。
板金の加工や貼り合わせは、複数人で行われるため、一つの車両が完成するまでには、多くの手が動いているのです。
そして、シャッターの奥では塗装作業が行われています。

ここではホコリが入らないように注意しながら、噴霧器を使って塗装が行われます。
色のムラができないよう、車と一定の間隔を保ちながら丁寧に噴き付けていく様子は、まるで芸術のように美しいです。
さらに、レントゲン車内の家具やカーテン、イスのカバーなど、細部まで手作りされています。

木材加工室では、扉の位置の調整や配管の通し方にもこだわりが見られます。
一つひとつの家具や布類の仕上げは、専門とする縫製室で丁寧に行われます。
【最後の仕上げと安全性のチェック】 レントゲン車を完成させる最後の工程は、天井や床の整備、搭載品の設置を行う「艤装」と呼ばれる作業です。

この工程では、車両の内部構造を整えるだけでなく、機能性と美しさを兼ね備えた仕上がりを目指しています。
そして、最後には車両の安定性をチェックします。
法で定められた保安基準に則り、車体を30度傾けて横転しないかを検査します。

この試験に合格することで、レントゲン車の安全性が確保されるのです。
このように、一台のレントゲン車が完成するまで、多くの工程と職人の手が掛かっていることがわかります。
それぞれの工程で彼らが注いでいる思いや技術の結晶が、一台一台の車両に込められています。

レントゲン車が製造工程を通じてどのようにして完成していくかを知ることで、その制作に対するさらなる感銘を受けることができました。
職人たちの熟練した技術と丹精込めた手作業によって作り上げられるレントゲン車は、まさに医療現場における貴重な存在です。
これからも彼らの技術と情熱が、より高度な医療環境を実現するために活かされることを願っています。

私たちも、彼らの努力に敬意を払い、医療現場の発展に向けて応援し続けましょう![emoji:B60]