探検ファクトリー 「木のクッション材で高知を快適にする工場探訪!」

探検ファクトリー高級感と癒やし効果 天然クッション材 日本唯一の木毛工場

令和5年8月18日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

【木毛工場の歴史と技術】 高知県にある木毛工場は、明治時代から続く伝統的な木毛の製造を行っています。
木毛は、かつて果物を贈る際に包装材として使用されていたことから始まりました。
木の消臭や吸湿効果を生かして、寝具や日用品にも活用されています。

木によって感触や匂いも様々で、その多様性が魅力です。
実際に木毛を敷いた生卵入りの箱を落下させても、衝撃吸収力が高く、卵は無傷でした。
かつては全国で約120の木毛工場が存在し、森林率が誇らしい高知県でも製造が盛んでしたが、石油由来のクッション材が台頭するにつれて、工場数は激減しました。

この工場は、日本で最後の専業工場となっています。
【木毛の製造工程】 木毛の原材料となるアカマツは、菌の影響で変色しないように水をまく作業からスタートします。
その後、バーカーと呼ばれる機械で丸太の表面の皮を削り取ります。

削った丸太は裁断され、製造機械によって高速で上下する刃に接触しながら薄く削られていきます。
ふんわりとしたカールを持たせるために、木を削る際の角度が非常に重要です。
削りたての木毛は約80℃の熱風で乾燥され、機械によって圧縮・梱包されると、木のクッション材の完成です。

この方法によって、木の消臭・吸湿効果を最大限に活かした商品が作られています。
【木のクッション材の多様な使い方】 木のクッション材は、寝具や日用品の材料としてだけでなく、鉢カバーや靴箱の吸湿剤としても利用することができます。
この工場では、さまざまな商品を開発しています。

戸田社長は、31年前に入社した際、工場の存続が危ぶまれていた状況でした。
しかし、社長になった戸田さんは従来のやり方を一新し、工場の存続を図りました。
全国の展示会に出向き、商品をPRすることで多くの人々に知ってもらう努力をしました。

また、工場見学ツアーの企画や取引先との交渉も行い、価格を上げながらも需要を減らさずに経営を安定させることに成功しました。
【新たなチャレンジ:エッセンシャルオイルの開発】 戸田社長は、去年から新たな取り組みとしてエッセンシャルオイルの開発に着手しました。
きっかけは、地元の小学校の工場見学で、子供たちが木の香りを知らないということに気付いたからです。

子供たちに木の香りを伝えるために、エッセンシャルオイルを製造することになりました。
ヒノキの枝葉を原材料として、水蒸気蒸留法で抽出されます。
この木の香りが注目され、使用されると爽やかな気分が味わえると言われています。

【感想】 木毛工場の歴史や工程を知ると、木の素材から生まれる製品の多様性に驚かされます。
木毛は、昔ながらの製法を守りつつ、現代の需要に合わせた商品開発も行っている姿勢が素晴らしいと感じました。
また、戸田社長の経営手腕や新たなチャレンジにも感銘を受けました。

地元の小学生のためにエッセンシャルオイル開発に取り組むなど、地域社会に貢献する姿勢が素晴らしいです。
木の香りを知らない子供たちに木の香りを伝える機会を提供することで、木毛工場の製品への興味や関心も高めることができるでしょう。
木毛工場の取り組みは、木の温かみや持続可能性を伝えると同時に、地域産業の活性化と継承にも貢献していると感じられました。