探検ファクトリー 「鉄道会社のシートを製造する全国の工場」

探検ファクトリー「日本全国!どんな列車の座席でも作る工場」

2022年6月4日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

『全国の鉄道会社のシートを作る工場』 工場内を見学すると、まず目に飛び込んできたのは、数々のシートカバーがずらりと並ぶ光景でした。
個別タイプのシートや通勤電車のシートなど、この工場で作られたシートは、日本全国の47都道府県で使われているんだとか。
さらに驚いたことに、ニューヨーク地下鉄のシートも手がけているんです。

その数はなんと1000種類以上。
多様なオーダーに応え続けてきた工場の歴史は、なんと約70年にも及ぶんです。
生地の裁断工程では、自動裁断機が使われています。

使い心地を左右する重要な工程だけに、必要なパーツを正確に切り出すことが求められます。
列車シートのカバーは、少なくとも10枚以上の生地から作られるそうです。
続いては縫製作業。

様々なサイズのシートカバーに対応するため、職人たちは立ってミシンをかけています。
技術と手仕事が結びついたこの工程は、細かな作業が要求されると同時に、シートの品質を保つために欠かせない作業でもあるのです。
次に、列車シートの金属フレーム作りを見学しました。

ロングシートの背もたれ部分の金属の板は、シートの隙間に挟まったものが手の届く範囲に留まるように下部を曲げられていました。
こうした工夫がなされていることで、乗客の安全性が確保されているんですね。
そして、座り心地だけでなく、耐久性や安全性も重要なポイントとなるシートクッション作り。

この工程では、火災時に有毒ガスが出ないポリエステルが使用されていました。
さまざまなパーツに切り分けられたポリエステルは、一つずつ丁寧に取り扱われていました。
最後に、今年9月に開業予定の西九州新幹線「かもめ」のシートの製造現場を見せてもらいました。

この工場では、職人たちが手作業で多品種少量生産を行っているのです。
クッションを積み終わったらフタを被せ、熱風炉で溶かして固める作業が行われます。
その後、正確なサイズを測り、1席分ずつにカットしてシートクッションが完成するのです。

この工場で作られるシートは、私たちが日常的に利用している鉄道車両に使われています。
シートカバーやクッションなど、手に触れる箇所の作り方や素材には、乗客への配慮や安全性の考慮が感じられます。
現代の鉄道は、快適な乗り心地とともに、安全性を高めるための工夫が凝らされているのですね。

この工場の見学を通じて、鉄道のシート製造のプロセスに興味深さを感じました。
技術と職人の手仕事が結びついたシートづくりの姿を見ることで、鉄道車両の安全性や快適性を高めるために、日々努力している人々に感謝の気持ちが湧いてきました。
私たちの乗り物には、多くの人々の努力と技術が集約されています。

鉄道を利用するたびに、その裏側にある尽力に感謝の気持ちを忘れずに感じてみませんか?一つ一つのシートに込められた思いは、私たちの快適な移動体験を支えているのです。