探検ファクトリー 「岩手の南部鉄器工場:進化し続ける伝統の技術」

探検ファクトリー料理の強い味方 海外でも注目! 日々進化する南部鉄器工場

令和5年10月14日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

【南部鉄器の工程と魅力】 南部鉄器の工場を探検し、製造過程を見学してきました。
岩手・奥州市の水沢地区では、900年以上の歴史を持つ鋳物の町であり、約30軒の南部鉄器工場が軒を連ねています。
今回お邪魔した工場では、約400種類もの調理道具が製造されていると聞きました。

【鋳造の秘密】 南部鉄器の製造過程を見学すると、まず鋳型に溶かした鉄を流し込んで作られることを知りました。
鉄瓶の鋳型は粘土で作られ、専用の道具であられ文様を押しこんでいくそうです。
焼いて固められた鉄瓶は、3つの型を組み合わせて溶けた鉄を注ぎ込むことによって形成されます。

鉄瓶が冷えて固まったら、鉄瓶を取り出します。
焼型は細かい模様が彫刻されており、数回しか使用できないとのことです。
また、フライパンを作るための型は砂で作ることもあります。

【危険かつ難しい工程】 最も危険かつ難しい工程は、砂型に溶かした鉄を流し込む「注湯」と呼ばれる作業です。
鉄は冷えて固まる前に早く注がなければならず、しかし静かに注がないと砂型が壊れてしまうとのこと。
鋳型からフライパンを取り出す作業では、金づちを使って型を落とすそうです。

生産数の多い製品は機械で製造されるとのことで、砂が付着している場合はグラインダーでバリを丁寧に削り取ります。
最後にさび止めの塗装が施され、完成品となります。
南部鉄器では、酸化被膜をつけてさびを防ぐ「金気止め」という技法が用いられているのです。

【魅力的な南部鉄器】 南部鉄器の工場を訪れ、その製造過程を目にしましたが、その魅力は単に製品の美しさだけではありません。
南部鉄器は歴史を感じさせる伝統技術が生かされており、一つ一つ手作業で丁寧に作られています。
また、その多種多様な製品の数々も魅力の一つです。

料理の道具類を中心に、日本の伝統文化や風景をモチーフにした独特のデザインや模様が施された南部鉄器は、使う喜びと飾る楽しさを兼ね備えています。
南部鉄器は、その高い品質や美しさに加えて、長い歴史と伝統を持つことから、多くの人々に愛され続けてきました。
日本の風土や文化を感じながら、料理を楽しむことができる南部鉄器は、食卓を彩る一品として、また贈り物としても喜ばれることでしょう。

是非一度、南部鉄器の魅力を味わってみてください。
きっと、その独特な温かみと遊び心に心惹かれることでしょう。