探検ファクトリー 「南部鉄器工場の進化と魅力」

探検ファクトリー料理の強い味方 海外でも注目! 日々進化する南部鉄器工場

令和5年10月20日放送  NHK総合
すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家

## 南部鉄器の製造過程 南部鉄器と言えば、岩手県奥州市の水沢地区が有名です。
この地域はなんと900年以上も前から鉄器を作り続けている鋳物の町なんです。
ここには約30軒の南部鉄器工場があり、今回私たちはその中のひとつを探訪します。

訪ねた工場の社長である及川さんに案内してもらい、さまざまな南部鉄器の製造過程を見学することができました。
工場内では約400種類もの調理道具が製造されているとのこと。
その中でも鉄瓶やフライパンなどの人気商品が並んでいました。

南部鉄器は、鉄を溶かして鋳型に流し込んで作られるのですが、その製造過程を見学することができました。
鋳型は粘土で作られ、専用の道具で鋳型にあられ文様を押し込んでいきます。
焼かれた鋳型は高温で固められ、鉄を注ぐ際には3つの型を組み合わせます。

そして鉄が冷えて固まったら、鉄瓶が誕生です。
焼かれた鋳型は何回かしか使えないため、その都度新しい鋳型を用意する必要があります。
## 注湯と鋳型からフライパンへ 製造過程の中でも最も危険で難しいのが、注湯という工程です。

完成した砂型に溶かした鉄を流し込むのですが、鉄が冷えて固まる前に早く注がなければならず、それでいて砂型が壊れないように静かに注がなければなりません。
この微妙なタイミングを見極めるのは、職人の技術と経験が求められる瞬間なのです。
そして、鋳型の中からフライパンが取り出されます。

フライパンについている型は、金づちを使って落とされます。
生産数の多い製品は機械で製造されていますが、こちらの工場では手作業の工程が残っています。
付着した砂を丁寧に落とし、湯道を取り除いた後、バリをグラインダーで丁寧に削ります。

最後にさび止めの塗装を施したら、完成品となります。
南部鉄器は金気止めという技法を使って表面に酸化被膜をつけ、さびを防ぐことが特徴です。
## 南部鉄器の魅力に触れて 今回の見学を通じて、南部鉄器の魅力に触れることができました。

古くから伝わる伝統の技術を受け継ぎながらも、南部鉄器の工場は常に進化していることに驚かされました。
職人たちの繊細な技術や熱意が、多種多様な南部鉄器の製造に生かされているのです。
南部鉄器は、その美しい文様や堅牢な作りから、調理道具としてはもちろん、インテリアとしても人気です。

そして何よりも、使い込むほどに味わいが増していくというのも魅力のひとつです。
世代を超えて受け継がれる南部鉄器の魅力を、私たちもぜひ体験してみてください。
南部鉄器工場の探訪は、地元の伝統を知り、手仕事の技術に触れることができる貴重な機会でした。

南部鉄器の製造過程は、一つひとつの工程が職人の手によって丁寧に行われており、そのプロセスには見る者の心を魅了する力があります。
私たちも、この美しい伝統工芸品に触れながら、心温まる食卓を彩ることができるのは幸せなことです。
ぜひ、南部鉄器に触れてみて、その魅力にふれてみてください。

きっと、あなたも虜になることでしょう。